こんにちは、なごや社会福祉士事務所の行成です。

前々回から引き続き、元気回復行動プランの作り方について解説していきます。

前々回:元気回復行動プランを作ろう①導入編

前回 :元気回復行動プランを作ろう②日常生活管理プラン

引き金となる出来事に対処するプラン

バインダーやノートをつかうか、引き金~調子が悪くなったときのプランを活用してみましょう。

「引き金となる出来事」とは、調子を悪くするきっかけとなる出来事です。

もしそれらが起きると気分が悪くなったり、いつもの自分でいられなくなるような出来事や状況のことを「引き金となる出来事」として記入していきます。

調子を崩す引き金になるかもしれない出来事は何ですか?

「これが起きたら調子を崩すだろう」と考えられることや状況を書き出してみましょう。

例えば…

過度の疲労、ストレス、仕事などでの失敗、批判される、家族との衝突

身体的な病気(風邪など)、低気圧や天候、騒音、経済的な問題

他人に迷惑をかけた、他人との距離感が近すぎる、付き合っている人との破局

引き金となる出来事が起きると、いつもの自分(日常生活管理プランの状態)でいられなくなり、調子を崩してしまうかもしれません。そんな時に、どう行動すると調子が崩れるのを防ぐことができるか。

調子が崩れるのを防ぐために何をするとよいですか?

自分の気持ちを落ち着かせるために何をしたら良いかを書き出してみます。

例えば…

一人で出かける、寝る、横になる、深呼吸をする、エクササイズをする

誰かに話を聞いてもらう、家をきれいに保つ

ダブルカラムノートに自分の気持ちを書いて整理する

落ち着ける場所でゆっくりと休息する

 

注意サインに対処するプラン

注意サインは、自分の内側で起こっていることで、ストレスになる状況への反応とは関係なく起きることもあります。

元気を保つように最大限努力しても、体調を崩す兆しとなる注意サインは現れる場合があります。

大切なのは、いち早く注意サインに気付き、注意サインに対処することでより体調を崩すのを防ぐことです。

調子が崩れかけているときのサインは何ですか?

これまでの経験で気付いた注意サインや、体調を崩すときになりそうな自分の状態を書き出してみましょう。

例えば…

緊張や不安が強くなる、集中力がなくなる、やる気が出ない、イライラする

日常生活管理プランができなくなる、身だしなみなどに気を配るのがおっくうになる

音楽がうるさく感じる、ぼーっとしてすごす、動きが鈍くなる

否定的な考えばかりうかぶ、胸が苦しいと感じる、お酒を大量に飲みたくなる

注意サインは、自分だけで書くのではなく、家族や親しい友人に尋ねてみてもいいと思います。

調子を崩しかけているときの自分を客観的に見られるようにしてみましょう。

注意サインが出たときにどうすると気持ちがやわらぎますか?

調子を崩しかけているときは普段の自分ができていることができなくなる場合があります。

自分を大切にして丁寧に対処することで、身体的・精神的にリラックスすることが大切です。

「しなければならないこと」と「することで気持ちが楽になること」に分けて書いてみましょう。

例えば…

横になりたいときは横になる、寝る、家事は溜めない

ゆっくりとシャワーを浴びる、泣きたくなったら泣く、一人でゆっくりと出かける

おいしいものを食べる、自分のための時間を作る、医師や親しい家族と話をする

自分の気持ちをダブルカラムノートなどに書き出す、横になって深呼吸する

「いい感じの自分じゃない」「調子を崩しかけている」ことを「注意サイン」からいち早く察して、自分をケアする方法をあらかじめ書き出しておくことで、更に体調を悪くすることを防ぐことが、今回解説したプランの目的です。

次回は、深刻な状態まで体調を崩してしまった場合のプランについて解説していきます。