こんにちは、なごや社会福祉士事務所の行成です。
元気回復行動(WRAP)プランを作ろう、第5弾です。
今回は危機的状況(クライシス)を脱したときのプラン作りについて解説していきます。
第一回目:元気回復行動プランを作ろう①導入編
第二回目:元気回復行動プランを作ろう②日常生活管理プラン
第三回目:元気回復行動プランを作ろう③調子を崩しかけているときのプラン
第四回目:元気回復行動プランを作ろう④危機的状況のプラン
危機的状況(クライシス)を振り返る
クライシス後のプランは、回復するにつれて常に変化するという点で他のWRAPと少し異なります。
そのため、作るかどうかの判断はあなたにおまかせします。
クライシス後のプランでは、徐々に日常生活管理プランに戻していったり、クライシスからの気づきや学び、理想的な暮らしとは何かを振り返る期間となります。
危機的状況を脱したときに何をしますか?
まずは危機的状況からの学びや理想とする療養・生活の仕方を改めて考えてみましょう。
これが日常生活管理プランに戻っていく過程のステップになっていきます。
バインダーやノートを使うか、危機的状況を脱したときのプランを活用してみましょう。
危機的状況からの学びや理想の暮らし方は何ですか?
クライシス直後はまだ入院中という方もいるかもしれません。
退院に向けて、我が家の環境は、人間関係は、仕事はどのような影響を与えていて、今後与える可能性があるかを振り返ってみましょう。
クライシスを招いた要因の分析を行い、調子を崩しかけているときのプランなどに追記していきます。
また、我が家で、あるいは今の仕事でどのような過ごし方ができるのが理想的かを書いていきます。
これが普通の日常に戻るための目標となります。
また、普段支えとなってくれる人やクライシスの際にお世話になった人への感謝も忘れないようにしましょう。
例えば…
夫にはすごく迷惑をかけたし、お世話になった。常日頃から感謝の気持ちを忘れない。
おだやかな気持ちで過ごし、できるだけ日中は起きて過ごす。
日常生活管理プランに戻れるサインは何ですか?
次に、どのようなステップを踏み、自分がどのような状態になれば普通の日常に戻ったと判断できるのかを書いていきます。
例えば…
頭がすっきりとクリア、緊張が減り、会話が増える
涙が出たり悲観的な考えが浮かばなくなる
このサインが出ていれば、日常生活管理プランに戻ってもいい、と思えるような状態です。
回復してきたときにどうするのが自分にとっていいですか?
次に、日常生活管理プランに戻るまでの過ごし方について書いていきます。
自分ですることと、誰かにしてほしいことを分けて書いてみましょう。
ただ、最初に書いた通りクライシス後のプランは作るかどうか、いつ作るのかを自分で決めるプランです。
元気な時にはなかなか想像できなかったり、想定していなかった状態になるかもしれません。
なので、実際にクライシスを経験した後に例えば病院のカウンセラーや自助会などの助けを得ながら作成してもいいでしょう。
WRAPの活用のしかた
完成したWRAPは、最初のうちは一日一回、朝に一通り読んで、今自分がどのプランを使うべきか考え、元気に役立つ道具箱を実行していきましょう。
慣れてくると内容を覚えて、いちいち見る必要がなくなってくると思います。
注意サインや引き金となる出来事があった場合はなるべくマイナスな影響を最小限に食い止められるよう、プランに従いましょう。
WRAPは一度作成して終わりではなく、常に書き足したり、書き直したりしてより実際の生活に近づけるようにしていけると、上手に活用ができるでしょう。