こんにちは、なごや社会福祉士事務所の行成ひとみです。

介護事業者さんのWEBサイト、ブログを頑張って更新されているところが多いと思います。

  • 今日はこんなレクをしました
  • 今月のイベント食はこんなものでした
  • 夏場は水分をしっかりとりましょう
  • 利用者様が〇歳になられました

こんなような内容のブログが多いと思います、が、

そのブログ、誰に見てほしくて書いていますか?

例:〇〇ユニットではこんなレクをしました
→利用者様のご家族?従業員?入職見込み者?

 

悩む男性
WEB戦略のためにはブログをたくさん更新するといいみたいだ!

確かに、ブログの更新は大切です。

でも、無計画に現場のスタッフに「とにかく書いて」と任せてしまっては、同じような内容の記事の量産になるだけです。

そんなブログは、あなたの法人に興味を持ってブログを見る人にとって、やさしいブログでしょうか?

ブログを書くなら、読む人を意識しよう

例えば特養などの老人ホームの「ウェブサイトを開いてブログを見る人」とは、どんな人でしょうか。

もしくは、そのブログはどんな人に見てもらいたくて書くのでしょうか。

利用者様のご家族?

新規入職見込み者?

それを意識してみると、書く内容、方向性が自然と定まってきます。

更に、「ブログを読んだ人にどう感じてもらいたいか」も意識すると、読む人にとってやさしいブログ記事になるでしょう。

誰が読むか考慮しないブログ記事

例えば「こんなレクリエーションをしました」という記事を、読者を意識せずに書いてみます。

〇〇ユニットでは夏祭りに向けて、ご利用者様に紙細工の飾りを作っていただくレクに参加していただきました。

皆さん真剣に紙を折り、職員がハサミで切り込みを入れ、色とりどりの紙細工が出来上がりました。

完成した紙細工を見て、ご利用者様も喜んでおられました。

夏祭りの日にはこの紙細工をいろんな場所に飾る予定です!

利用者様のご家族様を読者と設定したブログ記事

同じ「レクリエーションをした」という内容のブログでも、読者をご家族様と設定した場合、このようになります。

こんにちは、〇〇ユニットのスタッフ△△です!

今日は夏祭りに向け、飾り用の紙細工を作るレクリエーションをしました。

[写真]

ご利用者様が折った折り紙に、スタッフがハサミで切り込みを入れていきます。

最初は興味がなさそうにしていた方も、皆さんの真剣な様子に関心を持っていただき、最終的には全員の方にご参加いただけました。

[写真]

折り紙自体は簡単な作業ですが、集中して手指を動かすため、認知症予防やリハビリの効果も期待できます!

これからも楽しく認知症予防や身体機能向上につながるレクリエーションを企画していきたいと思います。

〇〇ユニットの△△でした!

読者を設定しない場合との違いがお分かりになったでしょうか。

相手を意識する場合、書く内容はその人に向けた手紙と同じです。

そのため、まずは「書いている人は誰なのか」軽い自己紹介を入れます。

そうすることで、ブログを見たご家族様がいらっしゃった際に、「あ、この人があのブログを書いたんだな」とスタッフの名前を意識していただくことができ、ご家族様との関係を円滑にする効果が期待できます。

また、ユニット内のすべてのご利用者様の様子がわかるような文章にすることで、自分の家族も参加したのかな、ということを伝えることができ、より施設での生活の様子を知ることができます。

更に、行ったレクリエーションの意図や期待できる効果を書き添えることで、「なぜ」レクリエーションを行ったのか、介護やレクの知識がない方にもわかりやすく伝わります。

単なる「お世話」ではない、根拠に基づいた自立支援をプロ意識を持って行っていることを、誰にでもわかるやさしい文章で記すことで、「この施設に預けて安心だ」と思っていただければ、家族様と施設との関係も良好に保たれるでしょう。

新規見込み入職者を読者と設定したブログ記事

人手不足の施設は多いかと思います。

介護の仕事をしようと思っても、どの法人も似たようなWEBサイトやブログばかり…。

「ここ!」という決め手を求めてネットで情報を集める求職者にとって、「価値のある情報」を渡すには、以下のように新規見込み入職者を対象としたブログを書く必要があります。

こんにちは、〇〇ユニットの介護士△△です。

今日は利用者様と一緒に夏祭りで飾るための紙細工を作るレクリエーションを行いました。

[写真]

レクリエーションの企画はユニット内の介護士が持ち回りで考えています。

目の見えない方や、麻痺で片手がうまく動かせない方もいらっしゃいますが、皆さんが何らかの作業に楽しく参加していただけるようスタッフで分担し、作業工程を工夫し、声かけを行いました。

その結果、最初は「できないよ」とおっしゃっていた方にも、簡単な折り目をつける作業をしていただくことができました。

出来上がった紙細工を見て、皆さん満足の表情。達成感を感じていただけたようです!

集中して取り組む方、おしゃべりしながらのんびりと楽しむ方、色んな方がいらっしゃいます。

これからもそれぞれの方に寄り添って、皆さんが楽しく取り組んでいただけるようなレクリエーションを企画したいと思います!

〇〇ユニットの介護士△△でした。

求職者に向けたブログを書く上でのポイントは

  1. 入職後に自分がどう働いているのかイメージできること
    →「企画はユニット内の介護士が持ち回りで考えています」
  2. 「介護士として」何に配慮した行動をしているか
    →「作業工程を工夫し、声かけ」→結果「満足の表情」
  3. ユニット(フロア)内の人間関係や介護観を伝える
    →「スタッフで分担」「皆さんが楽しく取り組んでいただけるよう」

このように、小綺麗なパンフレットやWEBサイトからはわからない、実際の施設の様子を盛り込むことで、応募へのハードルを下げることができるのです。

目標も想定読者も設定していないブログは意味がない

ブログをたくさん更新しよう、それはとても良い心がけですが、目標も想定読者もない量産型ブログでは、

この記事は多くの人に見てもらいたい!

という目玉記事を埋もれさせることになってしまいます。

ブロガーなどは過去に書いた数百の記事を整理(不要なものの削除)したり、リライト(記事を書き直す)して、常に最新でかつ読みやすく伝わりやすい内容になるよう工夫を凝らしています。

もしあなたのブログが無意味な記事で埋め尽くされているのであれば、

  • ブログで伝えたい対象は誰か
  • ブログで何を伝えたいか
  • ブログを見た人にどう感じてほしいか

これらを基軸にして、いらない記事はどんどん削除していき、良い記事だけを残すようにすると読み手にとって優しいブログになるでしょう。