こんにちは、なごや社会福祉士事務所の行成です。
本日はなくそう虐待あいちさんのおはなし会にお誘いいただいたので、参加してきました。
なくそう虐待あいちとは
子どもの命は子どものもの。
子どもの心は子どものもの。
子どもの体は子どものもの。
私たちは子どもの人権を守るため活動していきます。
虐待を受け育った当事者による、虐待防止のための取り組みをしている団体です。
毎月「おはなし会」をひらき、虐待当事者から、虐待をした親や大人たちに対する手紙を朗読する会を開催しています。
先日の子ども虐待防止策 講演会2019 in 愛知の共催者でもあります。
来年の夏には子どもがテーマの会も開催予定とのことで、今後の動向が気になりますね。
子どものころ、大人にしてほしかったこと
虐待経験者が集まる会ということで、自分の気持ちや感じたことを率直に話し合いました。
特に、虐待を防止するためにどのような取り組みが有効なのか、当事者ならではの意見が活発に出ていました。
- 子どもを助けてくれる場所、大人がいることを知りたかった
(児童相談所の存在がわからず、警察も家庭内のことには介入してくれなかった) - 子ども同士でも言えないことを、大人に相談なんてできない
学校などで教師に異常に気付いてほしかった - 色んな役所、福祉事務所などに相談に行ったけれど、相談するにつれ誰も守ってくれないと思うようになった
- 自分が虐待を受けていることに早く気づくことが大切だと思う
そのために、学校で子どもの人権について教えてほしかった
生きづらさを抱える若者が過半数を超える中で、必要なのは社会的・文化的に「理想的なよい家庭ばかりではない」ことがもっと広まってほしい、そして子どもを助け守ってくれる大人や機関の情報が子どもにいきわたるようになってほしい。
そんな切実な声が聴かれました。
昭和的価値観との闘い
明治から昭和初期まで、日本には「家制度」がありました。
家長である父親が絶対的な権利を握り、長男にその権利が委譲されていく、家長の許可がなければ働くことも結婚をすることもできなかった時代があったのです。
「家制度」の中で家族の結束は強まりましたが、健全に家族運営ができていた家はどれだけあったでしょうか。
家制度の名残として現在も残る民法の親権ですが、日本が子どもの権利条約に批准して以降、様々な法律が改正され、昭和的価値観は古いものになってきています。
たとえば、来年2020年4月に施行される改正児童福祉法等で体罰の禁止が明文化されました。
また、子ども自身が親権の停止を裁判所に申し立てることができるようになっています。
民法上もすべての親権の行使にあたっては「子どもの最善の利益のために」という一文が加えられています。
しかし、今親の世代は昭和的価値観の家で生まれ育った人たちが多く、法律が改正されたからと言って簡単に考え方を変えるのは難しいでしょう。
特に、子どものころ体罰が当たり前のように行われてきた家庭で育った人は、自分の子にも同じように「しつけ」を行ってしまうかもしれません。子どもを自分の奴隷のように扱う人もいるかもしれません。
でも、これから親になる人たちは平成に生まれ、個性を重視する「ゆとり教育」を受けた若者たちです。
虐待とは何か、子どもの権利とは何かを若い世代の人たちに少しでも伝えられたら、虐待をしてしまう前にSOSを出したり、子どもの個別性や権利を大切にすることができるでしょう。
親と子の権利について、学びませんか
なごや社会福祉士事務所と子ども金銭教育団体であるFPmama Friendsが共催で、子どもと親の権利に関する勉強会を開催することになりました。
定員は20名と少ないですが、会場を無料でお借りすることができたので参加費は無料です。
12/21(土)14:00~16:00 名古屋市総合社会福祉会館にて、親子でのご参加も大歓迎です。
ぜひお申し込みください。