こんにちは、なごや社会福祉士事務所の行成です。

Twitterで国民健康保険料の滞納に関するご相談がありました。

支払が難しい場合、どうしたら良いでしょうか。

滞納したときまずやること

住民税や国民健康保険料を滞納しそう、またはしてしまった場合はすみやかに区役所の担当部署に今納付することが困難であるということを相談した方が良いでしょう。

納付しやすいように分納することができるかもしれません。

もしくは、利用できる減免制度を教えてくれる場合があります。

所得(収入)が減ってしまったときの減免

名古屋市のホームページに国民健康保険料の減免制度についての説明があります。

収入減少のために減免を受けられるのは、以下の条件を満たした方などです。

  • 前年所得が33万円未満(単身世帯)
  • 前年所得が33万円+世帯人数×28.5万円未満(複数世帯)
  • 前年所得が1000万円以下で申請月の属する年の見込所得が264万円以下の世帯

いずれにしても手取り額ではなく所得なのでパッと見て当てはまるかどうか判断するのは難しいと思います。

そういった場合は今年の収入を証明できる書類(給与明細など)を持参して、窓口で「減免制度は使えませんか?」と聞いてみるのが一番でしょう。

障害者手帳を取得したときの減免

障害者手帳を最近取得したばかりであれば、障害者のための減免が利用できるかもしれません。
以下の条件を満たすと障害者の減免が利用できます。

  • 前年所得が125万円以下

障害者以外でも、寡婦や寡夫の場合も対象となります。
※寡婦・寡夫とは配偶者と死別・離婚した後、婚姻していない方のことです。

分割納付もできないくらい生活が苦しいとき

減免制度を利用し、更に分納の相談をしてもその金額すら支払えない場合もあると思います。
そういったときは滞納額がどんどん増えていき、延滞利子もついてしまってますます支払いが大変になってしまう上に、いつ保険料を差し押さえられるかわからなくなってしまいます。

役所は督促状が届いてから10日後には財産を差し押さえることができるので、生活費を守るためにも差し押えられないようにしなければいけません。

2018年2月12日付で厚労省から各都道府県に差し押さえ禁止財産に関する通知がありました。

  • 月10万円(単身世帯)
  • 月10万円+4.5万円×家族人数

差押え後も生活ができるように、この金額だけは残して差押えをするようにと周知されました。

ですが、例えば児童扶養手当が出た月などはこの差押え禁止基準を上回る収入となるかもしれません。実際には、児童扶養手当をその後の生活費として使わなければ生活していけない方もいるのに、です。

そうなると、あとは最後の手段である「換価の猶予」の申請しかありません。

換価の猶予とは

換価の猶予国民健康保険料を一時に納付することにより事業の継続または生活の維持が困難になるおそれがある場合申請することにより、最大で1年間、差押財産の換価(売却)が猶予される制度です。(地方税法第15条の6)

猶予の対象となる国民健康保険税は納期限から6月以内のものに限られ、また、納付誓約の不履行歴がある方や、国民健康保険税以外の税滞納がある方は対象になりません。

この制度について、他の自治体ではホームページで案内がありますが、名古屋市には猶予に関するページはないようです。また、徴収窓口で教えてもらえないようなので、各自しっかりと調べないとなかなか辿りつけない制度でもあります。

換価の猶予を利用するためには以下の条件を満たす必要があります。

  • 滞納している保険料が納付期限から6か月以内
  • 窓口で約束した分納はきちんと払っている
  • 他に住民税などの滞納がない

この条件を見てわかるように、滞納してからかなり早い段階で申請を検討しなければならない制度です。

特に、分納を約束した分をきちんと払っていなければならない点を満たすのが難しい方もいると思います。

大切なのは、こういった制度があると事前に知っておくこと、いざ申請が必要になったときに申請できる条件を満たしていることです。

滞納には、早めの相談と対策を

最悪なパターンは督促状が来ても見て見ぬふりして滞納を続けてしまうことです。

滞納せざるを得ない状況になったら早めに担当部署に相談をして、示された分納も難しいようであれば早めに換価の猶予を申請しなければ、差押えはもちろんのこと、滞納利息がどんどん膨らんでいってしまいます。

早め早めの相談としかるべき申請をしていきましょう。